書籍紹介「科学者の9割は『地球温暖化』CO₂犯人説はウソだと知っている」丸山茂徳 著
科学者の9割は「地球温暖化」CO₂犯人説はウソだと知っている
丸山茂徳 著 ISBN978-4-7966-6291-8
2008年5月25日から29日にわたり、地球惑星科学連合学会で『地球温暖化の真相』と題するシンポジウムが開催された。その時に、過去50年の地球温暖化が人為起源なのか、自然起源なのか、さらに21世紀はIPCCが主張する一方的温暖化なのか、あるいは著者が主張する寒冷化なのか、そのアンケートを取ろうとした。ところが、その時に次のような発言が飛び出した。
「このアンケートを公表したりして、何かを企む人が出るのではないか」
これには驚くだけでなく、今日の温暖化狂騒曲を創りだした問題の本質があるという実感を得た。
今日の世界全体で科学者共同体(学会)の数は、自然科学、応用科学、人文・社会科学分野まで含めると約2,000に達している。これらの科学共同体は趣味の会ではなく、巨額の国民の税金の上に成り立った公的役割を担い、研究の最前線を社会に伝える責任を負っている。その責任を多くの科学者が忘れているのである。彼らは、科学者を「社会で選ばれた知的遊民」であると考え「社会が科学者に無償の奉仕をするのは当然」であり「それに応える社会的責任などない」と思っている。
シンポジウムで行われたアンケートによれば「21世紀が一方的温暖化である」と主張する科学者は10人に1人しかいないのである。たった1割に過ぎない科学者の暴走を許してしまった科学者共同体の社会的責任は大きい。また、そのアンケートで10人のうち2人は「21世紀は寒冷化の時代である」と予測する。そして、残りの7人は「わからない」と答えている。マスメディアはCO₂悪玉論を展開し、気温さえ上昇しなければ、地球環境問題は解決すると考えている。とんでもない間違いである。仮に、21世紀を通じて気温が一定であったとしても、環境問題は加速度的に肥大し、食糧と資源の争奪は加速する。過去150年の温暖化は、その始まりを後送りにしたに過ぎない。日本が排出するCO₂は世界全体の5%に過ぎないので、CO₂排出量をゼロにしても気温はたったの0.0004度しか下がらない!?
著者はデータが証明する「地球寒冷化」の予兆を示し、かならず訪れる食糧問題とエネルギー問題を前に人類は生き残るために何をするべきかを提言する。
2017年1月19日 8:42 カテゴリー:書籍紹介