書籍紹介「賞味期限のウソ」 井出留美 著
賞味期限のウソ
井出留美 著 ISBN978-4-344-98433-2
本書は、大量の食品ロスが生まれるのはなぜかと問いつつ、その根本原因を以下のように、小売店、メーカー、消費者のそれぞれの立場から究明しています。
(1)賞味期限と消費期限
賞味期限は「おいしく食べられる期限」で、本来のおいしく食べられる期限より短めに設定されていることがほとんど。一方、消費期限は「食べても安全な期限」です。従って「消費期限」は過ぎたら食べられないが「賞味期限」は食べられる。
(2)メーカー泣かせの食品業界の「3分の1」ルール
食品業界には、賞味期限を3分の1ずつに区切って、最初の3分の1を「納品期限」次の3分の1までを「販売期限」とする商慣習があります。
(3)スルメもカビる!水分量15%ライン
細菌の繁殖は、生もの、タンパク質が多いものに加えて、水分を多く含むものも要注意。細菌は水に溶けている栄養素を分解して摂取するので、水分のないところでは増殖できません。カビはおおむね、水分量10%以下で発生せず、15%超で発生します。
(4)コンビニがスーパーより高い理由の1つは「捨てる前提」があるから
コンビニでは、スペースが狭いため「捨てる前提」で「捨てる費用」があらかじめ商品価格に織り込まれています。
(5)毎日大量にパンを捨てているデパ地下のパン屋
デパートでは「閉店間際でも品揃え」が要請され、さらに「閉店間際になっても値引き禁止」があるため、売れ残りによる大量廃棄がなされています。
以上の様な知識を補充したり、商慣習などを変更して、食品ロスの少ない社会を作りましょう。
2016年12月15日 8:59 カテゴリー:書籍紹介