書籍紹介「殺される患者、生かされる患者」 児玉知之 著
殺される患者、生かされる患者
児玉知之 著 ISBN978-4-8470-6571-2
著者は現役の医師です。その医師から見て、せっかく優れた医療を受ける機会があるにもかかわらず、その活用法を知らないばかりにみすみすその機会を逃している患者さんがとても多いのです。逆に、機会を確実につかみ最大限のサービスを享受している患者さんもいます。
これが、本書のいささか刺激的なタイトルに使われている「殺される患者」と「生かされる患者」との決定的な違いです。その違いを紐解く鍵は「医療サービス業であって、サービス業ではない」という特殊な世界だということです。一般的に飲食や宿泊サービスであれば、支払った金銭に応じたサービスを受けられます。しかし、同じサービス業に分類されることもある医療には、それは当てはまりません。いくら高いお金を払っても最終的には患者さんの行動や態度によって引き出せるサービスの質が大きく変わってくるのです。
本書では、そんな医療の現場においてサービスを提供する側にいる著者が、経験上導き出した「こういうことをすると確実に損をする・得をする」というトピックを解説しています。また、より理解度を高めるために患者さんと医師とのやり取りを随所に入れつつ「実は医師はこのように考えている」という医師の知られざる本音も書かれています。「生かされる患者」になるために留意するべきことは、医療サービスに対して決して受け身にならず、膨大な選択肢の中から個々のサービス(医師、医療機関、治療法、薬剤など)の特性を理解するように努め、それを能動的に活用することです。
医者の本気を引き出す、具体的な方法をお教えします!!
2016年7月21日 8:43 カテゴリー:書籍紹介