書籍紹介「生涯健康脳」 瀧 靖之 著
生涯健康脳
瀧 靖之 著 ISBN978-4-9905212-9-5
著者は「疫学(えきがく)」という手法を使って研究を行っています。
「疫学」というのは大きな地域や集団を対象に統計学的な方法から、疾病の原因や傾向を明らかにするものです。つまり、多くのデータを解析することによって「どういう人が、どういう事をすると、どういうふうになるのか」を明らかにしていきます。
その具体的なデータとは「認知力」「生活習慣」「遺伝子」「MRI画像」の四つの分野のデータベースです。現在、それらデータの解析から多くの事がわかってきました。例えば「こういう体質を持った人がこういう生活習慣だと、こういう病気にならない」とか「同じような遺伝子を持っている人でも、このような生活習慣だと病気になる、ならない」など、それら四分野の相互データ解析から、様々な傾向が見えてきます。疫学データとしては、血液や生活調査などはよくありますが、脳のMRI画像を疫学データとして活用しているところは世界でも数えるほどです。
本書は、これら疫学データから見えてきた「生涯健康脳」を保つ方法をわかりやすく述べています。「人は亡くなる直前までしっかりとした頭を持ち、認知力を健全に保った状態で生活することが人生の理想であり幸せです。「幸せに生きる」という事は「脳を健康に保つ」ことと同じで「生涯健康脳」を保つ方法は日常生活の中で簡単にできることがあり、著者は特に以下の2つを強調しています。
(1)「有酸素運動」で「海馬」の体積を増やす。
脳細胞のエネルギー源ともいえる重要な栄養素「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が有酸素運動で体内でつくられ、記憶の働きをつかさどる脳の中枢を担う「海馬」に大きく関わります。
(2)いつも「知的好奇心」を持っている。
「好奇心」を持って取り組んだ時の記憶効果は「短期的な記憶」だけでなく「長期的記憶」にもなります。
16万人の脳画像を見てきた脳医学者が語る「イキイキ脳は日常生活でつくられる!」
2015年11月5日 8:53 カテゴリー:書籍紹介