書籍紹介「子どもの脳によくないこと」 小西行郎 著
子どもの脳によくないこと
小西行郎 著 ISBN978-4-569-79654-3
著者が日々、観察されている赤ちゃんの様子と脳科学の側面から、これだけはしないほうがいいと考えられる育児について、また、こうしたほうがよりよくなると考えられる育児について、下記の各章において具体例によりわかりやすくお話しされています。
第一章 妊娠中・授乳期の子育て
(1)「胎教」はひところかなりブームになりました。しかし、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のうち、真先に発達するのが触覚で、胎児は体に触れたり、子宮に触れたりして自分と他者を認知します。ということは、胎教は親から子への一方的な教育の押しつけにすぎないことになります。
(2)母乳が優れている点が多いことは事実ですが、日本の粉ミルクのレベルは相当高く、限りなく母乳に近いものが作られています。従って、大切なことは母乳をあげることが目的はなく、いい子に育てることが目的だということ。
第二章 幼児期の子育て
(1)きちんとした抱き方を教えてあげて、いい抱き方をするなら、誰が抱こうと赤ちゃんは泣きません。愛情は関係なくテクニックなので、テクニックをきちんと教えることが本当は必要です。
(2)テレビ漬けやDVD漬けになっている子どもは、言語の発達や発語が遅れたり、目線を合わせない、情緒が希薄などの傾向はありますが、事の本質は、十分に子どもと接しないで放ったらかしにしている家庭環境に問題があります。
第三章 しつけ、学習に関する注意点
(1)褒めること自体は決して悪いことではありませんが、的確なタイミングと適切な言葉で褒めないと効果はなく、子どもはすぐに見抜いてしまいます。
(2)結局どんなに早期教育を行っても、本人が本気にならなければ、何をやっても身につきません。
第四章 望ましい子育て
(1)子育ての目的は「自分で考えることができる子どもに育てる」ということ。
(2)子育ての醍醐味は、うまくいっていない時に、それを子どもが乗り越えられるように手助けしてやること。従って、やってはいけない育児は過干渉・過保護です。
赤ちゃん学、脳科学を生かす子育てを実践しよう!!
2015年9月17日 8:32 カテゴリー:書籍紹介