書籍紹介「ゼロ歳からの免疫力」 藤田紘一郎 著
ゼロ歳からの免疫力
藤田紘一郎 著 ISBN4-08-650076-0
親は子どもの体の中に入ってきた細菌を抗生物質でやっつけ、身のまわりの細菌を抗菌グッズで遠ざけ、子どもが本来もっている免疫システムを弱くしてしまった。著者は回虫と花粉症の関係の研究から、異物を排除した人間がいかに新しい病気に弱いかを実感している。人は異物ともつきあっていかなければならない。
本書のテーマは「共生」である。
子どもが心と体に健康を取り戻すためには細菌やウィルスをはじめとした、色々なものとの「共生」につきる。「共に生きよう」という気持ちが精神的にも肉体的にも子どもを強くする。
「バイキン」といえば、すべてが「悪玉」と、これまでの日本人は思っていた。しかし、「バイキン」として総称されている細菌・ウィルスなどの微生物の中には、人の健康を守る「善玉」のものも沢山存在することを本書でぜひ知ってほしい。
今の日本の子どもたちの免疫力は極端に低下している。今の子どもの40%近くが、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症などのアレルギー性疾患にかかっているという事実は、最近の子どもたちの免疫力がいかに低下しているかを示している。それでは、このような子どもたちの免疫力増強させるにはどうするか。
免疫力を増強させる最もよい方法は「腸内細菌の種類と数を増やす」ことである。それには日ごろから抗生物質の乱用を慎み、抗菌グッズを使用せず、消毒剤などの使用を抑えて「バイキン類と共生」すること「泥んこ遊び」などをして自然に触れること。そして、穀類、豆類、野菜、果物などの植物性食品を多くとること。これらの食品は「腸内細菌のエサ」となって免疫力を増強させる。
「危なくなっている日本の子どもを一刻も早く救いたい」!!
2015年8月6日 9:01 カテゴリー:書籍紹介