書籍紹介「長引く痛みの原因は血管が9割」 奥野祐次 著
長引く痛みの原因は血管が9割
奥野祐次 著 ISBN978-4-8470-6079-3
「長引く痛み」を抱えた人は不安でいっぱいです。しかし、痛みを訴えても病院は何もしてくれません。「レントゲンでは異常はありません」「湿布でようすをみましょう」などと言われ、それでも長引く痛み。それは、これまで痛みの原因が解明されていなかったため、仕方がないことでした。しかし、今、医学の進歩とともに理解が深まり痛みには血管が関わっていることが解明されてきました。五十肩やひざや腰の痛み、スポーツによる痛みなど、ごくありふれた痛みが「血管」で説明される時代が訪れようとしています。
重要なことは「痛い場所にはモヤモヤ血管がある」ということです。モヤモヤ血管とは整然と美しい正常な血管に対し、モヤモヤとした無秩序な血管(病的血管)でこれはレントゲンやMRIには映らないため「異常なし」とされることが多い。
それでは、このモヤモヤ血管はどうしてできてしまうのでしょうか?「血管を新しく作りなさい」という指令を出す物質が過剰に生じると、ぐちゃぐちゃ、モヤモヤした血管になります。この物質は「血管内皮増殖因子(VEGF)」と言います。血管を作る細胞を「血管内皮細胞」と呼んでいますが、この血管内皮細胞が増えるように指令を出す物質がVEGFです。このVEGFが過剰に作られると、血管が一気に増えます。そのときにでき上がるのがモヤモヤ血管なのです。
そして、モヤモヤ血管が痛みの原因になる理由が3つあります。
①モヤモヤ血管が炎症細胞の供給路(インフラ)になる。
②モヤモヤ血管の周りに神経線維が増える。
③無駄な血流が増えて、低酸素になる。
本書は、これまで原因が解明されてこなかった「長引く痛み」を全く新しい視点から治すことを試みています。同時に、人間の体や医療の考え方などさまざまな内容に触れています。「長引く痛み」に苦しんでいる人はもちろん、現在痛みを持っていない方もきっと興味をもって読んでいただけるものと思います。
2015年7月16日 8:52 カテゴリー:書籍紹介