《年末年始休業日のお知らせ》
《年末年始休業日のお知らせ》
誠に勝手ながら12/29(水)~1/3(月)まで年末年始休業とさせていただきます。
なお、ネット・FAXでのご注文・お問い合わせは承っておりますが、
1/4(火)より順次対応させていただきますので、予めご了承下さいますよう
何卒よろしくお願い申し上げます。
2021年12月20日 9:19 カテゴリー:お知らせ
書籍紹介「脳を司る『脳』」毛内 拡 著
書籍紹介「脳を司る『脳』」
毛内 拡 著 ISBN978-4-06-521919-5
これまでは、ニューロンの働きやニューロンが作る回路こそが「脳」だと思われていました。しかし、好き嫌いやおもしろい・悲しいといった「感情」や、人間が持つ「知性」の中には、ニューロンの働きだけでは説明しきれない現象がたくさんあります。こうした人間らしさの象徴ともいえる「こころの働き」には、ニューロン以外の脳が大きく関わっている事が最近わかってきているのです。
脳の中には、知られざる「細胞外スペース」(間質)と呼ばれる「すきま」があり、そこを舞台に様々な脳活動が繰り広げられています。細胞外スペースの体積は、睡眠や覚醒など脳の状態によって増減しています。さらに、細胞外スペースは間質液で満たされて、ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンやアセチルコリンなど脳内物質の通り道となり、それらが拡散して伝わり、脳の広範囲を調節する事で、こころの働きに関与しています。また、脳を浸している脳脊髄液は、常に流れて入れ替わる事で脳の環境を保ち、間質液と交換する事で脳のリンパ排泄のような働きを担っています。脳脊髄液の流れが異常になる事と、アルツハイマー病のような脳の病気との関連も注目されています。
そして、脳細胞の半分を占めるグリア細胞。グリア細胞の中でも、特にアストロサイトに本書は注目しています。(1)進化的に複雑な脳を持つ動物ほど、ニューロンに対するアストロサイトの比が高い傾向がある (2)マウスとヒトではアストロサイトの大きさも複雑さもまったく異なるなどと指摘し、知性の進化の謎を解く鍵は、アストロサイトにあるかもしれないと述べています。
「人間らしさ」を生み出す、知られざる脳の正体!!
2021年12月16日 8:55 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介「遺伝子のスイッチ」生田 哲 著
遺伝子のスイッチ
生田 哲 著 ISBN978-4-492-04687-6
たとえ一卵性双生児の様に同じ遺伝子を持っていても、同じ結果になるとは限らない。それどころか、同じ結果にならない事が多い。遺伝子の働きは、食事、運動、人間関係などの生活習慣などによって劇的に変わる。そして最近の研究によって遺伝子の働きをかえる仕組み、すなわち、遺伝子を使う(オン)にしたり、遺伝子を使わない(オフ)にするスイッチが存在する事が明らかになった。このスイッチを研究するのが「エピジェネティクス」という、今、爆発的に発展している学問分野であり、本著のテーマである。このスイッチのユニークなところは、環境の変化に応じてDNAの塩基配列を変える(変異)事なく、遺伝子の使い方を変える事にある。具体的に言えば、このスイッチは、ヒストンやDNAにタグをつけたり、外したりする事によって遺伝子のオンとオフを迅速に切り替える。主役は、ヒストン修飾とDNAのメチル化である。
(1)ヒストン修飾(最も重要なのはヒストンのアセチル化)
ヒストンがアセチル化(タグとしてアセチル基がつく)されると、凝縮クロマチンが非凝縮クロマチンに変化し、遺伝子の発現がオンとなる。逆に脱アセチル化されると凝縮クロマチンを形成するので転写が起こらず遺伝子の発現がオフとなる。
(2)DNAのメチル化
DNAがメチル化(タグとしてメチル基がつく)されると、凝縮クロマチンの形成を経由して、遺伝子の発現がオフになる。逆に脱メチル化されると非凝縮クロマチンの形成を経由して遺伝子の発現がオフとなる。
そこで、本書では、薬物依存や食べ物依存、子供の頃の逆境が大人になってから生活習慣病の引き金になる、子供の性格を決めるのは母親による子供のケアである事などをエピジェネティクスを根拠に説明している。
何気ないその行動があなたの遺伝子の働きを変える!!
2021年12月2日 9:21 カテゴリー:書籍紹介