書籍紹介「肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい」 西山耕一郎 著
肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい
西山耕一郎 著 ISBN978-4-86410-554-5
じつは、筋肉や血管よりも「決して衰えさせてしまってはいけない機能」があります。それは、食べ物を飲み込む力。すなわち嚥下機能です。
人間は、食べ物を食べてエネルギーを取り込まなければ生きていくことができず、わたしたちは日々その行動をごく「当たり前のこと」として行なっています。しかし、飲み込む力が衰えてくると、しばしば「誤嚥」が起こるようになり、食べた物が食道ではなく、気管や肺のほうに入ってしまいます。すると、気管や肺に入った食べ物により炎症が起こり「誤嚥性肺炎」が発生し“命取り”になることがあります。
だから、死なないようにするには、飲み込む力を衰えさせてしまってはダメ。とくに70代以上の高齢者の場合は、飲み込む力をどれだけキープできるかが、寿命を決定づけるカギになると言えます。
みなさんは、最近、食事中に「ムセ」や「咳込み」が多くなったと感じていませんか?もし心当たりがあるならば、それは、のどの力が衰えて「飲み込み力」が低下してきたという証拠です。「飲み込み力」が低下すると、本来食道に入るべき飲食物が誤って気管に入ってしまうわけです。
ところで「飲み込み力」が落ちてくると「見た目」にも明らかなサインが現れます。じつは「のど仏」の位置が下がってくるのです。ごっくんと食べ物を飲み込むと、のど仏(咽頭)が上下しますが、この動きは咽頭挙上筋群と呼ばれる筋肉がのど仏(咽頭)を引っ張り上げたり下げたりすることで成立しています。従って、飲み込み力を高める方法はこの筋肉を鍛えるトレーニングをすることです。具体的には、のどの「3つの機能」の(1)嚥下機能(2)呼吸機能(3)発声機能 がしっかりできるようにそれぞれ日々トレーニングすることです。さらに、じつはもうひとつ、飲み込み力キープのために絶対に低下させてはいけない機能があります。それは「体力」です。飲み込み力は全身の体力と相関しています。
誤嚥が気になる人は、1万人を治療した名医が教える寿命を10年のばす1日5分の「のど体操」をすぐに実践しましょう。
2017年7月20日 8:48 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介「大往生したけりゃ医療とかかわるな[介護編]」中村仁一 著
大往生したけりゃ医療とかかわるな[介護編]
中村仁一 著 ISBN978-4-344-98454-7
「健康寿命」を延ばすことに異は唱えませんが、大事なのは「健康寿命」後です。まだ、人生が終わったわけではありません。医療や介護の利用を最小限にして、いかに要介護状態を生きるか。端的に言えば「要介護期間」の短縮です。「老化」は「成長」と逆の経過を辿り、のみ食いは最後の能力となり、自力でこれができなくなれば「寿命」ということです。
これは、人間だけでなく、あらゆる生きものに共通の最後の姿ですから、排泄の手助けまでは許容できても、自力でのみ食いできなくなった場合は、食事の介護は断り、また、のみこめなくなったり、のみこみが悪くなって誤嚥性肺炎を繰り返すようになった場合には「胃瘻をつくる」「鼻からチューブを入れる」「中心静脈栄養をする」「点滴注射をする」「大量皮下注射をする」などの一切の医療措置は、辞退するということです。
人間には、もともと自然に任せれば穏やかに死ねる仕組みが備わっています。そして、繁殖を終えた年寄りに残された最後の大事な役目は自然な死が穏やかであることを後続の者に見せることです。
その実現のためには、元気なうちから、家族や周囲の人達に「重度の要介護状態で生き延びたくない」旨を伝えておかなければなりません。なぜなら、意識がなくなったり、ぼけで充分に意思表示ができなくなった場合に、代弁するのが家族や周囲だからです。そして、可愛い子や孫のために、今の世界に冠たるいい制度を残すべく、潔く身を引こうではありませんか。
なにはともあれ、家族の絆(ほだし)なることだけは、絶対に避けましょう。
人間の最大の悲劇は、人間らしくない死に方をすること!!
2017年7月6日 8:56 カテゴリー:書籍紹介