書籍紹介 「がん患者よ、近藤 誠を疑え」 近藤 誠 著
がん患者よ、近藤 誠を疑え
近藤 誠 著 ISBN978-4-537-26138-7
治療を受けて後悔しないためには、治療の前に接するすべての言葉を疑うこと。この点、著者の言葉も例外ではない。万が一にも著者が欺界の権威たちと裏で手を結び、言葉を曲げて皆さんを誘導しようとしたらどうなるだろうか。そうなる恐れがないとは言えないから、著者の言葉も疑ってもらわねば困るのだ。信じることをやめて考えること。
医者の人格や言葉を絶対視せず、他と比べて相対化すること。自分の頭で考えるというのは、そういうことではないだろうか。そして、もし自分で決めることができたなら、どういう結果になろうと、後悔することは少なくなるはずである。
そこで、本書では、大腸がん体験者であり、ジャーナリストでもある森省渉さんが、がん患者やその家族なら誰しも抱く、切実で重要な疑問点について、がん患者やその家族を代表する形で近藤先生に迫っています。近藤先生による45の「アンサー」を要約すると以下の通りです。
・「がんもどき」は、ほぼ100%「本物のがん」に変わらない。
・「本物のがん」にメスを入れると「局所転移」で「がんが暴走」する。
・がんの再発を早く見つけるほど「バカを見る」。
・抗がん剤は「たった1回の投与」で死に至ることもある。
・「放射線治療」だけを選べば無駄死にしないこともある。
・「粒子線治療」は期待外れ。通常のエックス線照射で十分足りる。
・放置したがんが「消えてしまう」ケースも珍しくない。
以上より、著者(近藤先生)は「結局、がんは放置するのがいちばん」と主張します。
主治医が勧める手術・抗がん剤治療で命を縮めないための正しい近藤理論の使い方!!
2016年9月15日 8:43 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介 「家族という病」 下重暁子 著
家族という病
下重暁子 著 ISBN978-4-344-98376-2
日本人の多くが「一家団欒」という言葉にあこがれ、そうあらねばならないという呪縛にとらわれている。しかし、そもそも「家族」とは、それほどすばらしいものなのか。実際には家族がらみの事件やトラブルを挙げればキリがない。それなのになぜ、日本で「家族」は美化されるのか。
一方で「家族」という幻想に取り憑かれ、口を開けば家族の話しかしない人もいる。そんな人達を著者は「家族のことしか話題がない人はつまらない」「家族写真入りの年賀状は幸せの押し売り」と一刀両断。家族の実態をえぐりつつ「家族とは何か」を提起する。著者自身は、父、母、兄の三人の家族とかかわり合う前に別(死別)れてしまった。多くの人達が、家族を知らないうちに、両親やきょうだいが何を考え感じていたのか確かめぬうちに、別れてしまうのではないかという気がするのだ。
私達は家族を選んで生まれてくることは出来ない。産声をあげた時には、枠は決まっている。その枠の中で家族を演じてみせる。父・母・子供という役割りを家族団欒の名の下に、お互いが、よく知ったふりをし、愛し合っていると思い込む。何でも許せる美しい空間…。そこでは個は埋没し、家族という巨大な生き物と化す。
家族団欒という幻想ではなく、一人ひとりの個人を取り戻すことが、ほんとうの家族を知る近道ではないのか。自分の家族と思うから余計な期待をし、それがストレスになり甘えになる。家族の間に日常的に微風を吹かせておきたい。べったりで相手が見えなくなり、排他的になるなら、家族ぐらいしんどいものはない。独りを知り、孤独感を味わうことではじめて相手の気持ちを推しはかることが出来る。
家族ほど、しんどく、実は一番理解しがたい存在はない!!
2016年9月1日 12:20 カテゴリー:書籍紹介