書籍紹介「本当に病気を治す医者の選び方」 岡本 裕 著
本当に病気を治す医者の選び方
岡本 裕 著 ISBN978-4-7762-0801-3
「日本は世界一の長寿国で、健康保険制度も整っている医療大国だ」と思っている日本人は多いと思います。では、日本は世界で一番人々が元気で健康に暮らしている国かと問われると「はい、そう思います」と即答できる人は以外に少ないのではないでしょうか。現に、日本は寝たきりや、認知症のお年寄りも多くまた、大往生を遂げる比率も高くないと言われています。そこにはなにか、解決しなくてはいけない問題が潜んでいるはずです。
ちなみに、病気は医者が治すものではなく、医者が手助けをして、患者自身が治すものです。また、薬は病気を治すものではなく、抑えなければならない症状を一時的に緩和してくれるだけのものです。つまり、患者が自分で病気を治す間の時間稼ぎをしてくれるものです。この基本的な事実を認識していない医者と患者には病気を治すことはできません。
著者は日本の医療の世界に絶望して臨床医をやめ、仲間の医師たちとバーチャル医療機関である「eークリニック」を立ち上げ、そこで日々、本気で病気を治したい患者さんたちの相談にのっています。
「病気を治す医者」は医療の正しい方向を患者に示すことができなければなりません。本書は著者の自戒を含め、今の医療に警鐘を鳴らしながら、ひとりでも多くの人に元気で健康な人生を送ってもらいたいとの思いで書かれています。そして、病気を治す医者の見分け方として、例えば以下のアドバイスを指摘しています。
(1)病気だけでなく患者自身のことも質問するか?
(2)「病気を治すのは医者だ」という態度で診察していないか?
(3)薬のやめどきまで、きちんと説明してくれるか?
(4)治療の選択肢を示し、一緒の選んでくれるか?
健康で長生きできるかどうかの最大のポイントは、あなたが選ぶお医者さん次第です!
2013年10月10日 8:54 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介「痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ」 島田永和 著
痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ
島田永和 著 ISBN978-4-02-273219-4
整形外科医として30年が経過しましたが、自分自身は成長したか、そして、日本の整形外科診療は進歩したか、と振り返ったとき、残念ですが胸を張って「イエス」とは答えられないことに気づきます。
確かに、新しい検査方法が開発され診断が容易となりましたし、関節鏡などの発達により、小さなキズで身体へのダメージを最小限とする手術方法が導入され、術後の回復は早くなりました。つまり、整形外科専門医や研究者にとって興味の対象となる分野は進歩しました。
その一方で、よくある腰や膝、肩などの関節の痛みについては医師の関心が薄いせいもあり、これまでと変わらない対処にとどまっており、進んでいないのが現実です。
著者は師匠からスポーツ選手の診療を学び、安静の弊害を繰り返したたき込まれました。「人間は動いてナンボや」という師匠の人生哲学に強く惹かれ、診療現場に動いて治すことを取り入れ、活かしてきました。そして、この「動いて治す」という考え方はスポーツ選手だけのものではなく、働く人、主婦、高齢者、障害者などすべての生活し活動する人間に当てはまるものだと気づきました。
けれども、整形外科での対応は今も安静や活動制限が中心で、ほとんど変化がありません。もっと動いて、動かして、積極的に対処するという方法を知っていただきたいと考え、患者さん自身が自分の身体に起こった異変を理解し、自分の力で解決する方法を学んで実際に行動できるよう、分かりやすく解説したのが本書です。身体の痛みや使い勝手の悪さなどの症状で長く悩んだり、一時はよくなっても何度もぶり返したりしてお困りの方、そして、安静を指示するだけの対応にご不満を感じておられる方に、ぜひ、実践していただきたいと著者は願っています。
スポーツ医療の第一人者が、痛みの出にくい身体づくりの方法を教えます!!
2013年10月3日 9:02 カテゴリー:書籍紹介