書籍紹介 「薬をやめれば病気は治る」 岡本 裕 著

薬をやめれば病気は治る
岡本 裕 著 ISBN 978-4-344-98301-4

著者は医者になってかれこれ30年あまり経ちますが、自身はほとんど薬を飲まないし、患者さんにもめったに薬を出さない。なぜなら、薬を飲むのがこわいし、患者さんに薬を出すのはもっとこわいからです。当然、いまの社会では医者として働くことが難しくなり、一度は臨床医をやめることになりました。実は、自分の投薬のせいで2人の受け持ち患者が命を失いかけた体験から、薬の副作用について猛勉強しないわけにいかなくなり、同時に薬に対する猜疑心が日に日に強くなり、それで、いったん臨床医をやめました。

もちろん、薬を出さないと、患者の命を救えない場合や、薬を出さなければ患者の苦痛をとり除けない場合もあります。しかし、その2つの例外を除いて薬を出すのはやめようと、著者は固く決断しました。著者が「薬を出さない」と決断した根拠は、薬の副作用がこわいだけではなく、薬を常用すると、副作用に関係なく、寿命を縮めることになると考えているからです。

詳しくは本書を読んでいただくとして、鎮痛剤や胃薬、風邪薬や睡眠薬(睡眠導入剤)など、あげればきりがありませんが、常用している人がとても多い一方で、体に与える悪影響を知っているのは少数派です。もちろん、これらの薬を一回飲んだからといって寿命が縮まるわけではありませんが、飲むことを習慣化すると免疫力が低下して、寿命が短くなる可能性が高まります。

他方で、薬を飲まない健康長寿な人の共通項は「肉や乳製品を控える」「野菜をとる」「腹七分目」「規則正しい生活」「ストレスを減らす」「筋肉と関節を使う」等々。その理由や具体的な実践法も詳しく紹介されています。

著者が「薬をやめれば病気が治る」ことを皆さんにお伝えするのは、それが、医者として大切な使命だという思いからであり、読者にも事実はどうなのか、自分自身で確認してほしいからです。

2013年5月9日 9:24  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介 「酵素」の謎 鶴見隆史 著

「酵素」の謎
鶴見隆史 著 ISBN 978-4-396-11314-8

酵素は、近年の健康意識の高まりとともに、一般的に知られるようになっていますが、その研究の歴史はまだ浅く、正しい「酵素栄養学」は1985年に米国のエドワード・ハウエル博士が50年にわたり研究、発表した画期的な書物「Enzyme Nutrition(酵素栄養学)」に端を発しています。今日まで30年も経たず、日本で酵素の重要性が知られ始めてから10年も経っていません。現在の酵素ブームの火付け役は著者自身ですが、酵素にはいまだ謎も多く、その研究は発展途上です。

現在、老化・寿命のの原因として「酸化ストレス説」「テロメア説」「老人遺伝子説」が有力です。テロメアは2009年、ノーベル医学・生理学賞受賞を機に、一躍有名になりました。しかし、これらは、あくまで老化・寿命の中間原因で、最大の原因はそれらも支配している「酵素寿命説」つまり潜在酵素(体内酵素)の量が老化も寿命も決定していると著者は主張します。そして、酵素の特徴として以下の内容をあげています。

(1)解明が遅れたため9番目の栄養素として位置づけられている。
(2)酵素は44~50度くらいが活性が最も高まり、人間の体内では、体温38~40度で最も活性化する。
(3)酵素はそれ自身は変化しないで、接触する周囲の物質の化学反応を早める「触媒」として働く。
(4)酵素には体内で作られる体内酵素(消化酵素と代謝酵素)と食材から摂取される体外酵素(食物酵素)の2種類がある。
(5)体内で作られる酵素は、毎日作られるが、トータルでは一生で一定量しか作られない。

そして、病気の原因は「食」と「酵素」にあると主張し、体内酵素を減らさない方法と、食物から酵素を摂る方法について詳しく説明しています。
酵素ブームのなか、酵素栄養学の第一人者が書いた決定版!

2013年5月2日 9:41  カテゴリー:書籍紹介

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