書籍紹介 「歯と脳の最新科学」 堀 準一 著
歯と脳の最新科学
堀 準一 著 ISBN978-4-02-273336-8
人間は、口から食べ物を取り入れ、それを咀嚼、つまりよく噛んで消化吸収し、栄養にすることによって生命を維持しています。しかし、近年、栄養を摂るための方法は極めて安易になっています。その結果、咀嚼という行為がおろそかになり、顎の発育や発達が未熟な若い人が増えています。しかも、その影響は脳の中枢まで及んでいます。よく噛むためには、なによりも歯が大切です。口腔外科としての著者の願いは読者が自分の歯を大切にして1本でも多くの歯を残すことによって健やかな生活を送っていただくことにあります。その願いを読者に届けるために本書は3つの章からなっています。
第1章は「東大生の歯」です。
著者は1960年代から東京大学の学生診療所(後に健康センター)で、口腔外科医として30年以上にわたって東大生の歯を診断してきました。また、テレビ局、裁判所、警察などから鑑定依頼を受けることも多くあり、たった1本の歯であっても、多くのことを雄弁に語ってくれました。特に「東大生の歯医者」として経験した数々の出来事を通じて、まずは歯に対する興味をもっていただくことを意図しています。
第2章は「歯と脳の神秘」です。
この章では、そもそも歯とはどのようなものかといった基本的な知識を読者と共有することから始まります。次に、日本人の国民病ともいえる歯の2大疾患である「虫歯」と「歯周病」について詳しく触れています。さらに本書の主題である「歯と脳」の深い関係について述べられています。
第3章は「大人の歯の健康法」です。
この章では、歯の健康を保つための実践的な方法(ex.歯磨きの方法、自分でできる歯周病の予防、インプラントや入れ歯の留意点)を紹介しています。
本書全体を通して歯は歯根を通じて脳と直結するので、噛めば噛むほど頭がよくなることを強調しています。
2013年4月4日 9:24 カテゴリー:書籍紹介