書籍紹介 「医療の限界」 小松秀樹 著
医療の限界
小松秀樹 著 ISBN978-4-10-610218-9
いま、日本の医療は崩壊の危機に瀕しています。近年、医療をめぐる事故や紛争について多くの報道がなされるようになりました。それを機に、社会の医療に対する態度が大きく変化しました。一部に問題のある医師がいることを否定するものではありません。しかし、社会の側にも問題がある。日本を律してきた考え方の土台が崩れています。日本人は死生観を失った。リスクのない治療はない。患者は消費者ではない―――。
医療の現場を崩壊させる、際限ない社会の「安心・安全」要求、科学を理解しない刑事司法のレトリック、コストとクオリティを無視した建前ばかりの行政制度など、さまざまな要因を具体例とともに思想的見地まで掘り下げて、本書は論及する。
いったい医療は誰のものか？このまま事態が進んでいくと、結果的に困るのは医療を必要とする患者とその家族です。本書は医療の置かれている危機的状況の理解をうながし、医療の崩壊をふせぐために日本の医療が直面する重大な選択肢を「医療崩壊」の現場から鋭く問う。
そして、著者は医療崩壊の原因は患者との軋轢にあり、使命感を抱く医師や看護師が現場を離れ消えていくと主張する。
2012年9月6日 8:01 カテゴリー：書籍紹介
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