書籍紹介 「脳がよみがえる 脳卒中・リハビリ革命」 市川 衛 著
脳がよみがえる 脳卒中・リハビリ革命
市川 衛 著 ISBN 978-4-391-14106-1
脳卒中は脳の血管が破れたり詰まったりして脳の細胞が傷つく怖い病気です。全国の患者数は現在、約280万人と推計され、高齢化とともに今後も数万人単位で増えると考えられています。
世界人口のなかで不幸にも脳卒中を経験する人は「6人に1人」といわれ、一命を取りとめても手足にマヒが残り、日常生活を送ることが難しく介護とリハビリが必要になります。なお、国内では介護が必要となる原因のダントツ1位で約27.3%を占めています。
英語では脳卒中のことを「STROKE」(神の一撃)と表現し、ある日、前触れもなく天罰のごとく襲い非力な人間にはどうしようもないという意味が込められています。しかし、最近では「リハビリ技術の進歩」により最先端の専門家の間では脳卒中のことを「BRAIN ATTCK」(脳への攻撃)と呼ぶ人が増え、もはや脳卒中は「神の領域」ではなく治療して改善し得る病気であると考えられるようになっています。
ここ10年ほどで脳の働きを調べる新技術が登場した結果、脳卒中患者の「内なる働き」が見え、傷ついた脳が持つ回復力はきちんとした方向づけをすれば、どんなに重い脳卒中であっても改善の道が少しずつ見えています。本書で紹介されているリハビリの多くは患者さんのつらい訓練を手助けして“ラク”にすることを目指し(1)最近の情報を伝える(2)わかりやすく正確に伝える(3)すぐに暮らしに役立つ形で伝えるという3つを目標に取材されました。
従って、本書で紹介されている情報は、いま脳卒中の後遺症に苦しむ患者さんや、ご家族にとって非常に参考になるだけでなく、いま、脳卒中なんて病気に興味もなく、周辺にも患者さんが全くいない方にも参考になるいわば脳卒中・リハビリ革命情報が豊富に紹介されています。
2012年8月16日 9:02 カテゴリー:書籍紹介
夏季休暇のお知らせ
8月11日から8月15日まで夏季休暇になります。
休暇中、ご注文の受付はメール、FAXで承っております。
商品の発送は8月16日からとなりますので、ご了解下さい。
2012年8月9日 14:58 カテゴリー:お知らせ
書籍紹介 「日本人が知らない漢方の力」 渡辺賢治 著
日本人が知らない漢方の力
渡辺賢治 ISBN 978-4-396-11264-6
漢方は日本独自の伝統医学である。中国で「漢方」といっても、現地の人には通じない。たしかに漢方は、文字どおり中国古代の漢時代の医学にその起源を持つが、実学を重視した日本ならではの発展を遂げたものだ。
そして、古くさい昔の医学では決してなく、認知症やインフルエンザ、アレルギーなど様々な病気に威力を発揮するなど、極めて現代的である。わが国では医師の9割近くが漢方薬を日常診療に用いており、最先端医療と結びついて癌の治療現場で抗癌剤の副作用の軽減などで大いに役立っている。
今、この日本の漢方が世界から注目を集めて欧米を中心に海外から多くの留学生が訪れ、漢方を積極的に学んでいる。漢方が見直されるようになった背景として著者は以下の4つを挙げている。
(1)臓器ごとの細分化が過度に進んだことへの反省
(2)副作用への危惧
(3)不安愁訴に対する扱い
(4)疾病構造が感染症から慢性疾患に変化
しかし、この漢方が存続の危機に瀕している。それは、漢方薬の原料である生薬資源の枯渇、中国が狙う「中医学」の標準化、国民の無関心にある。
現代医療が抱える様々な問題点は漢方の活用によって解決できるか、漢方がひとりでに隆盛して、統合型のよりよい医療になる訳ではない。現状のままであれば漢方そのものが縮小し消滅しかねないという岐路に立っていると著者は強く主張する。
2012年8月9日 9:28 カテゴリー:書籍紹介